こんにちは。M1の後藤玄です。
ブログ更新が不規則で申し訳ありません。
先日、山﨑研究室の調査で、篠原一男が設計した「地の家」に行ってきました。
この調査は、奥山研究室と合同で行われました。
「地の家」は、1960年代後半、東京都練馬区に竣工した住宅です。
(『新建築』1967年7月号に掲載されています。)
(「地の家」外観写真)
朝9時、最寄駅に集合し、そこからみんなでバスに乗って現地へ向かいました。
私たちM1にとっては初めての実測調査でしたので、楽しみにしていました。
実測するのは、「地の家」が建っている敷地全体で、
その範囲は、建物のみならず、敷地境界にあるフェンスも含まれます。
そして、建物には主に、一階と地下室があり、
私の担当は、地下室でした。
階段を降りて扉を開けた先にある地下室は、
扉を閉めるととても暗かったです。
私の感覚で言えば、どこか家の中ではないような不思議な感覚になる部屋でした。
実測は、まず初めに、おおよそのプロポーションを意識しながら
見えるものの絵を描きます。
そしてそれらをメジャーやレーザー測定器で測って記録していきます。
一つの部屋だけでも、案外図るべき箇所が多く、
私の一日は、最初から最後まで地下室でした。
実測しているときは、楽しさもあって意外とわからなかったのですが、
どうやら体には疲労が蓄積されていたようで、
実測してから二日間ほど身体中筋肉痛だったことは、ここだけの秘密です。
昼休憩は、全員で近くのコンビニに行き、
それから「地の家」に戻ってきて、食べました。
建物自体の興味深さ、非日常的な時間で、会話も弾み、
とても楽しい時間を過ごしていたなあと、振り返ってみると思います。
それでは、初めて実測調査を行ったM1の感想を以下に記しておきます。
川端
「初めて篠原の作品を実際に見たので、とても感動しました。実測調査をすることで、作品の細部まで見ることができ勉強になりました。」
銅前
「図面に起こす際にどの部分が必要な寸法なのかを考えながら網羅的に実測をするのが大変でした。測るのが困難な箇所(円形のテーブルの位置や天井付近の開口部など)を工夫して頭を使いながら実測するのが楽しかったです。」
Leelee
「It was really interesting to see. The main room and views out to the garden were beautiful since I have only perceived the interior through dimly lit old photographs available online. I was particularly surprised about the ceiling space above the bathroom. the proportion of the space was difficult to understand purely through the photographs and drawings, so experiencing it in person was necessary. Although the bedroom space was strange, not sure if it’s good or bad. The drawings made it appear quiet poetic, but perhaps the condition of the building made it seem quite unwelcoming in person.」
実測調査以後、我々は「地の家」を図面に起こしています。
各所の寸法を読み解きながら考え、それを図面に起こす作業は、
篠原一男が何を考えて、どこを重視して設計したのかを想像させます。
正直、理由がわからない箇所も多いですが、
この作業は上記の点でとても楽しいです。
以上、「地の家」実測調査についてのお話でした。
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